1. 駐車禁止等除外標章(身体障害者等用)の交付対象者
駐車禁止等除外標章は、特定の障がい者が都内で駐車禁止区域において一時的に駐車するための特例を受けるための標章です。対象となるのは、都内に住所を有し、所定の障害者手帳を交付されている方々です。交付対象者は、以下の障害の種別や障害の区分、級別に該当する方々です。
1.1 身体障害者手帳
身体障害者手帳は、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など、身体的な障がいを持つ方に交付される公的な証明書です。以下の障がいに該当する場合、駐車禁止等除外標章を申請することができます。
1.1.1 視覚障害
- 視覚障害の1級から3級までの各級、または4級の1
1.1.2 聴覚障害
- 聴覚障害の2級または3級
1.1.3 平衡機能障害
- 平衡機能障害の3級
1.1.4 肢体不自由
-
上肢機能障害:
- 1級または2級の1(両上肢の機能の著しい障害)
- 2級の2(両上肢のすべての指を欠く)
-
下肢機能障害:
- 1級から4級までの各級
-
体幹機能障害:
- 1級から3級までの各級
-
運動機能障害:
- 上肢機能の1級または2級(一部の上肢に運動機能障害がある場合を除く)
1.1.5 移動機能
- 1級から4級までの各級
1.1.6 心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸機能障害
- 1級または3級
1.1.7 免疫機能障害
- 1級から3級までの各級
1.1.8 肝臓機能障害
- 1級から3級までの各級
1.2 戦傷病者手帳
戦傷病者手帳を所持している方々も対象となります。特別項症から第3項症までの各項症に該当する場合、駐車禁止等除外標章の交付対象となります。
1.3 愛の手帳(療育手帳)
発達障がいや知的障がいを持っている方々には、愛の手帳(療育手帳)が交付されます。1度または2度の手帳を所持している方々が対象です。
1.4 精神障害者保健福祉手帳
精神障がいを持つ方々が所持する精神障害者保健福祉手帳を所持している方で、1級に該当する場合が対象です。
1.5 小児慢性特定疾病医療受給者証
色素性乾皮症に係る医療費支給認定を受けた方が対象となります。
2. 申請手続きについて
駐車禁止等除外標章の交付を受けるためには、都内の警察署で申請を行う必要があります。申請手続きには、必要な書類を提出し、手続きを行う必要があります。
2.1 申請窓口
申請は、都内の全ての警察署(交通課)で受付が可能です。受付時間は、午前8時30分から午後4時30分までとなっており、土日祝日や年末年始(12月29日から1月3日)は受付が行われません。
2.2 申請に必要な書類
申請書類は申請の種類によって異なります。警察署の窓口で書類を受け取ることができますし、インターネットでダウンロードすることも可能です。
2.2.1 新規申請
- 申請書(「駐車禁止等除外標章交付申請書(身体障害者等用)」)
- 身体障害者手帳等の障害者手帳の写し
- 住民票の写し(発行日から3か月以内)
2.2.2 継続申請
新規申請と同様の書類が必要です。継続申請は、有効期間の満了する日の2か月前から受付可能です。
2.2.3 再交付申請
- 申請書(「除外標章再交付申請書」)
- 被害届または遺失届
- 申請者本人の確認ができるもの(身体障害者手帳等)
2.2.4 記載事項変更届
- 申請書(「除外標章記載事項変更届出書」)
- 変更を証する書面(住民票等)
- 申請者本人の確認ができるもの(身体障害者手帳等)
2.3 代理申請
代理人による申請が認められる場合もあります。未成年者や知的障害者、精神障害者などで申請者が自ら手続きを行うことが困難な場合は、親権者や配偶者、近親者が代理人となり申請を行うことができます。代理申請の場合、以下の書類が必要です:
- 申請者との関係を証明する書類(住民票の写し、戸籍謄本、パートナーシップ証明書等)
- 代理人本人の身分証明書(運転免許証、健康保険証など)
3. 除外標章の使用方法と注意事項
交付を受けた駐車禁止等除外標章は、正しく使用する必要があります。使用方法や注意点については、以下のような点を守る必要があります。
3.1 掲出方法
駐車禁止等除外標章は、車両の前面窓ガラスの見やすい場所に掲出する必要があります。標章はパウチ加工やラミネート加工をせず、そのままで掲出します。また、運転者が車両を離れる場合、連絡先や用務先を記載した書面を掲出することが求められます。
3.2 掲出し忘れや不適切な掲出
掲出忘れや外部から確認できない状態での掲出は、取締りの対象となります。また、車両を放置する場合や長時間駐車する場合も取締りの対象です。
3.3 除外の対象外となる場所
駐車禁止等除外標章を掲出しても、以下のような場所では除外の対象となりません:
- 駐停車禁止場所
- 法定駐車禁止場所
- 自転車専用通行帯
- 貨物車専用のパーキング
- 車庫代わりの駐車や長時間駐車
3.4 適切な駐車
駐車禁止等除外標章を掲出している場合でも、他の交通の妨げにならないように適切な駐車を行う必要があります。また、警察官から車両の移動を指示された場合は、その指示に従わなければなりません。
4. その他の注意点
4.1 都外での使用
東京都外で駐車禁止等除外標章を使用する場合、その使用方法が道府県によって異なる場合があります。事前に当該道府県の警察署に確認しておくことが推奨されます。
4.2 代替駐車場の利用
駐車禁止等除外標章は、最小限に使用することが推奨されます。可能な限り路外駐車場や専用の駐車スペースを利用するよう心掛けましょう。
5. まとめ
駐車禁止等除外標章(身体障害者等用)は、障がい者が都内で駐車禁止区域に駐車する際の特例を受けるための重要な手段です。申請に必要な書類や手続き、使用上の注意点を守ることで、正しく利用し、交通安全を確保することができます。また、標章を取得することで、障がい者の移動がよりスムーズに行えるようになり、社会参加を支援する大きな助けとなります。